「RICOH THETA Advent Calendar 2020」の12月6日担当のハヤシヒカル(@hayashi_cg)です。
今回は「開発中に三脚に乗っけながらUSBケーブル刺したいのでマウントをつくった話」です。
御存知の通りTHETA V/ Z1はAndroidで動作しています。
QiitaではRICOHの方以外にも、様々なTHETAユーザーがテック記事を書いていらっしゃいますね。
僕らもTHETA Z1で作る高精度HDRIの記事をCGWORLD2020年6月号の特集を寄稿させていただいたのですが、3DCGのライティングのために高速なブラケット撮影をするプラグインを開発したいな、と開発コミュニティにも参加しています。
開発時にTHETAにはUSB Type-Cのケーブルを接続しておくことで、ビルドしたプラグインをそのままインストールして試すことが可能になります。
そのためケーブルを接続した状態で開発したいんですが、THETA Z1のUSB-C端子は底面にあります。
つまり三脚などがつけれません!この状態で開発するとあるあるなのはこういういうソフトケースに入れておいて開発って形になるとは思います。
しかし、この状態では撮影すると真っ暗です。そこでこのようにソフトケースの上においてとなるわけですが、USB3.0以上のUSB-Cケーブルは太くて硬いのもあり不意にソフトケースから滑ってレンズに傷が入ってしまうかもしれません。
そこで三脚につけたままにUSBケーブルをさしたい!ということで3Dプリンタでアングルを作ってみ用途思いました!
前置きが長かったですが、以下から実際に作ってみます。
まず寸法をとってもいいんですが、せっかくなので弊社の3Dスキャナを使って見たいと思います。
実際に撮影するときのシーンを忘れていたので、イメージとしてバイクのスキャンを行っているときの写真をどうぞ。
Artec Space Spidarという超高精細3Dスキャンをつかってスキャンを行いました。
実際にスキャンした結果がこちらになります。こちらに合わせて設計を行いました。
形もいろいろ考えましたがシンプルにで片持ちでケーブルを避けるような形にBlenderでモデリングしてみました。
他にもFusion 360等の3DCADソフトなどであれば寸法を決めて作れるので、より正確に失敗なく作ることも可能だと思います。
次は3Dプリンタですが弊社ではZortraxM200を使いますこれはFDMという熱で溶かしたプラスチックの糸を積み上げていくプリンタです。
事前段階としては、まずはスライサーというソフトに先程の3Dモデルのデータをいれて積層ピッチを決めると自動で分割と支柱となるサポートが付加されたデータが出来上がります。
もし所有していない場合は、最近では低価格に3Dプリントを行ってくれるサービスも増えましたのでそちらも利用してみてください。
Webブラウザ上で金額や仕上がりのプレビュが可能で、昔に比べて大分と金額などのハードルも低くなりました。
3Dプリンタにデータを入れて開始した直後の画像、波なみになっているのがサポート材です。
このデータでは2時間くらい待つと出力されました。
これからサポート材を剥がして、手元にあった1/4インチネジをつけて実際にTHETA Z1を載せてみたのがこちらです。
強度的にもまずまず、無事USBケーブルに干渉することなく三脚が取り付けられることができました!
自分はもう少し手を加えて三脚との接続部にナットを熱圧入してより固定度合いを上げました。
こういった工作が思いついてすぐ作るのに3Dプリンタは便利で、ハードウェアもくっついた開発をするのに便利です。(実際にこちらは考えてから1日かからずに作りました。
みなさんもぜひ色々と作ってもらいたいなとおもいましたので、今回使用したTHETA Z1のスキャンモデルは、弊社のsketchfab上で無料公開していますので是非ダウンロードしていろいろなアクセサリを自作してみてください!